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破滅―梅川昭美の三十年 [読書]

破滅―梅川昭美の三十年 (幻冬舎アウトロー文庫)

破滅―梅川昭美の三十年 (幻冬舎アウトロー文庫)

  • 作者: 毎日新聞社会部
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 文庫


昭和54年1月26日に起きた「三菱銀行北畠支店人質強盗事件」の犯人梅川昭義の生い立ちから30歳で事件を起こし「破滅」に至った経緯が語られています。
この本は、毎日新聞(大阪)に連載された「破滅」をもとに全文書き下ろされています。

人質から死者が出たこの痛ましい凶悪事件が二度と起こらないようにする為にも忘れてはなりません。

梅川の辿った30年の人生は、この一冊だけでは収まらない程厳しいものがあったのだろうけど、
彼以上に厳しい状況から乗り越えてきた同年代の者も居るのも事実。
今はあまり話題に上がらない昭和30年代の少年犯罪増加を裏付ける事も書かれています。
(梅川もその中に含まれる年代だった)

満足度:★★★★☆

この事件を生の報道で見た時はかなり衝撃でした。
刑事ドラマとかだと、大抵その日の内に犯人が捕まってるのに、42時間も進行形でしたからね。
それに人質から犠牲者も出るわで・・・
子供心に「現実は怖い」って事を思い知らされました。
犯人の射殺で事件の幕切れがとなったのも衝撃だったです。

犯人はハードボイルドの展開を期待して銀行強盗を実行をしたけど、
結局その通りにならなくて、その結果悲惨な展開になってしまった訳ですか。

また、15歳の時も強盗殺人を起こしていたのですが、少年法によって実刑に至らなかったそうです。
その頃は、少年犯罪率の高かった30年代で、
その裏にはベビーブームによる若者人口の増加と日本の高度経済成長期における「繁栄と脱落」の境界にあるらしいようです。
(当時、少年犯罪の多発で少年院に収容しきれない事情もあり、実刑を逃れたのではないかとか)
この時代については、自分的に不明なところがあったのですが、この本からある程度解けてきた気がします。

こう言ったノンフィクションを知っちゃうと、フィクション(ドラマ)が見れないです。

でも、漫画創作でドラマのリアリティを追求しようとすると、
どうしてもこれにたどり着いちゃんだよな。^ ^;


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